Forget Memories〜The Place She Should Get Back

「エピローグ」または新たなる「プロローグ」

ペロペロ  
「何か」が頬を舐めている。  
う〜ん、くすぐったいな〜・・・。  
その「何か」を手でどける。  
うな〜あ、という抗議の声。  
再び「何か」が頬を舐めだす。  
「ああ、もう!!もう少し寝かせてよ、ピロ!!」

 

沢渡真琴は、ものみの丘で、目を覚ました。

 

真琴とピロは、しばらくものみの丘でじゃれあっていた。
「あははは、ピロ〜、久しぶりだね〜!元気にしてた〜?」
「うな〜あ。」
人を小ばかにしたようなタレ目をしたブチ模様の入ったネコ、ピロは嬉しそうに鳴いた。実際、嬉しいのだろう。
「そーいえば、私を助けてくれたんだよね?ありがと、ピロ!」
真琴はそう言って、ピロを顔にすりよせた。ピロはただされるがままにしていた。
「でも、あんた一体何者なの?私のこと最初から知っていたみたいだけど・・・?」
「んな〜あ?」
質問の意味が分からない、と言いたげにピロが首をかしげる。
「ま、いっか!ピロはピロだもんね!」
「んな〜お。」
その通りだ、と言わんばかりに答えるピロ。

 

そこに、一人の少女が現れる。
「あなた・・・、本当に真琴・・・、なの・・・?」
「あっ・・・!!」
その少女は、制服を着ていた。見慣れた変わった制服。そして、このオバサンくさい口調・・・。
「美汐!!」
真琴はそう叫び、彼女天野美汐の胸に飛び込んだ。
「真琴・・・。あなた、私のこと、覚えていてくれたんですね・・・。それから・・・、よく戻ってきて、くれました・・・」
美汐は、真琴の髪を撫でてあげながら、思わず涙が出ていた・・・。その涙は、あの日以来、彼女の「妖狐」が消えた時以来の、涙だった。

その日は、真琴が消えて、ちょうど1年、
温かな春の日差しが、まぶしかった。

第三章

空想具現化へ